Archive for 13 June 2005
13 June
The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 256
"And then she looked at me, and I was sorry I had killed the thing. Sorry for killing a dragon!"
「それからアマルシア姫は僕の顔に目を向けた。そして僕はあいつを殺したことを後悔したんだ。ドラゴンを退治したことをだよ。」
破壊と殺戮の上に成り立っていた、硬直したロマンス世界の原理を転覆する視点として、共生と共感の思想が意図的に導入されている。この視点変換の軸となるものとして、ユニコーン/アマルシア姫という存在が機能しているのである。
用語メモ
ロマンスと騎士道:ロマンス世界の崇高と騎士道精神の高潔を成り立たせている行為も、視点を変えて再検証の手を加えてみれば、破壊と殺戮という残虐性と暴力性に収束してしまわざるを得ないのである。
メインページurl http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/
作品研究サンプル
▼『不思議の国のアリス』とファンタシーの世界
・映画“ラビリンス”とアリス
・映画“ドリーム・チャイルド”とアリス
(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)「荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的記述―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求」、『ピーターとウェンディ』注釈テキスト "Annotated Peter and Wendy"等を公開中)
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