Archive for 04 June 2005
04 June
The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 247
"One face is almost guileless, almost foolish, but not quite foolish enough. The other is a face like my face, and that must mean danger."
「この女の顔は、ほとんど何のたくらみも持ってはいそうにない、馬鹿も同然の顔だ。だが全くの馬鹿という訳でも無い。こちらの男の顔は、儂の顔と同様だ。それはつまり、危険をはらんでいるということだ。」
シュメンドリックとモリーの顔を見比べながら、彼等の本質を見事に言い当てるハガード王である。モリーは一見他愛の無い愚か者に見えながら、実はそうとも言い切れない隠れた資質を備えている。シュメンドリックはむしろハガードには理解しやすい、ハガードと同等の“hunger”(涸渇感)を抱いている人間なのである。
用語メモ
guileless:“guile”とは“ずるさ、狡猾さ”である。それが「無い」ということは、無邪気で素朴であることを意味する。類語として“wile”=craftinessがある。ちなみに“beguile”ならば、「欺く」という意味と共に、「楽しませる」、「退屈を紛らわす」などの意味も持つ。
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作品研究サンプル
▼『不思議の国のアリス』とファンタシーの世界
・映画“ラビリンス”とアリス
・映画“ドリーム・チャイルド”とアリス
(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)「荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的記述―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求」、『ピーターとウェンディ』注釈テキスト "Annotated Peter and Wendy"等を公開中)
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