Complete text -- "イオンタウン展示 コミュニケーションノートのご質問"

26 February

イオンタウン展示 コミュニケーションノートのご質問

展示物と講演会の内容について質問を頂いていました。
お答えします。

1 展示されていたグラフィックノベルは、Topcraft 社の The Last Unicorn のものとはかなり画風が異なりますが?

お答え
随分違う雰囲気になっていますが。アメリカで販売されているライセンス許諾付きの正規品です。しかし最近の製品なので、Topcraft 社の面影は全くありません。日本の漫画家に改めて描き直してもらいたいものですね。

2 アリスやシェイクスピアなどの引用があるのは、どのような意図があるのでしょうか?

お答え
こうした隠れた遊戯的記述は、作者の遊びでもあり読者の喜びでもあります。文学作品だけでなく、アニメや映画にもよく導入されているものです。しかし主題的には、意識の奥底を通じて時間と空間の隔たりに関わりなく世界の全てが繋がっているという、The Last Unicorn の世界観を表現する優れた技法と考えられます。宇宙の全てが、各々の個物を認識しそれぞれの存在と全体との関連を把握する意識の力が備える、「意味を作り出す力」によって密接な関係で結びつけられていると考えられます。

3 アニメ The Last Unicorn では、ユニコーンがとても女性的に描かれていましたが?

お答え
神話や伝説を通じて語り伝えられているユニコーンは、いかにも男性的なイメージです。お城のタペストリーに描かれていた姿に、それがうかがえました。The Last Unicorn では、人々が信じてきたそのユニコーン像は偽りのものとして否定されることになっています。
ユニコーンを雌として描く試みは、常識をひっくり返す大胆な行為だったわけです。


4 アニメ「ガンダム」にも「貴婦人とユニコーン」のタペストリーが出てきますが、ユニコーンとタペストリーの関係は?

お答え
我々が知っているユニコーン像は、パリのクリュニー美術館やニューヨークのメトロポリタン美術館等に保管されたタペストリーを通じて伝えられたものです。ユニコーンを語る情報の出典が、タペストリーなのです。ユニコーンと言えば、すぐさまタペストリーが思い浮かべられる訳です。
20:51:35 | antifantasy2 | | TrackBacks
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