Complete text -- "大学講義の問題点ー愚民教育の圧力とその対処"

13 August

大学講義の問題点ー愚民教育の圧力とその対処

大学講義の問題点ー愚民教育の圧力とその対処  学生アンケートの悲惨な実態を憂えるツィートが、あちこちに書き込まれているようです。しかしまだ遠慮があって、根幹的な問題点を指摘することを控えている方たちが多いようです。その部分をあえて語ってみます。  文部科学省は大学管理の簡便な手段として、形骸的な自己点検作業や欺瞞的FD開催を繰り返すことを大学に強いています。  また大学の組織運営を担う筈の管理的部署にある人たちも、本気で内実ある講義を行おうとする教員があることは手っ取り早く組織改善の実績を捏造することの妨げになるため、むしろ講義環境を害する学生たちの無軌道な行動を後押しして、組織管理に呑み込まれない教員の排除を図ろうとしています。  教育を授ける側と教育を受ける側の無責任の相乗作用のため、現在大学教育の現場は大変悲惨な状況に陥っています。  そんな中で碌にカスタマイズができない硬直した教育用ネットワークが次々と導入され、本来の学習効果を伴わない業者主体のキャリア教育や各種検定試験が惰性的に導入され続けているのが多くの大学のあるがままの現状のようです。  これらは全て、現在政府と報道機関が連動して推し進めている愚民教育の実態を浮き彫りにするもののように思われます。教育者の思惑を忖度して信じてもいない正解を無難に答える術を身に着けることが「教育」の目的であると学生に誤認させる無言の圧力が、日本の社会の基盤にはあるようです。

自己点検報告書  以下は、このような問題点を指摘するために2021年度後期に大学当局に提出した「英語b-II」の「出席状況確認報告」です。  黒田担当の英語b においてはネット上で仮想的な出席を行う機会は設けず、講義資料の実際の閲覧に基づいた質疑応答を行う完全なオンデマンド形式で運営されておりますので、機械的な「欠席」照合はありません。  後期の講義参加に必要な質疑応答のためのスレッドをmanaba course 上に設けるために初回のレポート提出を課しましたが、若干の未提出者があったためこれを救済するためにさらにもう1回のレポート提出の機会を設け、10月9日を提出期限として講座運営方法に対する理解を促しました。  その結果いずれにも対応が無く講義進行についてくる条件を満たしていないものを「レポート提出」の欄に「X」を付けて示しています。  この方達は後期の講座受講を放棄したと見做されるのですが、15回分の講義内容を公開してあるmanaba course の1回目あるいは2回目に閲覧の痕跡があるのは、ひょっとして講義実施要領として公開してあるmanaba course の記載とコースニュースのいずれにも目を通していないため、講座運営方法に対する正しい理解を得ないまま惰性的に閲覧の痕跡を残したものとも考えられます。  manaba course には受講上の手引きとなるガイダンスと共に15回の講義課題とこれに対応する後期試験問題がが既に公開済みですが、3回目以降はいずれのクラスも閲覧を済ませていない受講生が多くあるため、履修状況を示す参考データとして用いることはできませんでした。  また、「閲覧済み」が必ずしも実際の内容確認を実証するものではないことは、前期の各回の課題に対するレポート送信の内容が出鱈目な推測に基づく回答が多く、講義主題の把握を反映していないことから判断できます。  かなりの学生達が形式のみの「出席」の痕跡を設けることに執心し、実際に講義から得られる成果を望む気構えを失ってしまっているのは、遠隔講義におけるzoom 等の受動的な視聴に基づく受講体制に適合してしまった学生達の抱える深刻な問題点だと思われます。  質疑応答の場の確保ができてはいても、実際のmanaba に掲載した講義資料の閲覧が得られていないであろう学生達が存在するのが問題ですが、現時点では厳密な実態の把握にはまだ至っていません。  今年度後期は毎週毎のレポート課題の提出に対する無内容なレポート提出が惰性的に行われないように配慮して、講義課題の閲覧もレポート提出も期限を設けず自発的な質疑応答を通して受講生各人との双方向的な情報交換を通して進行しているからです。  これまでに得た反応では、講座運営理念を把握して自ら身に着けるべき主体的な知識を学び取る姿勢を示してついてきてくれる受講生も多くなってきました。対面授業で行っていた以上の内容のある講義が遠隔講義の環境で達成され得ることを立証する具体例が得られたと考えています。  その反面、身に付いた欺瞞的な受講姿勢から脱することができず、見当違いな八つ当たりを短絡的に行う学生が今後現れてくることも予想されます。  これらの方達に対する対処を誤ったならば、今後の本学の教育体制そのものが損なわれてしまうであろうことが懸念されます。既に前期終了直後にいくつかのその兆候が見られたのですが、大学としての対処が必ずしも適切なものでなかったことが気がかりな部分です。
09:04:05 | antifantasy2 | | TrackBacks
Comments
コメントがありません
Add Comments
:

:

トラックバック