Archive for 08 December 2005
08 December
Peter and Wendy 『ピーターとウェンディ』読解メモ 22
"Yes, he is rather cocky," Wendy admitted with regret. Her mother had been questioning her.
"But who is he, my pet?"
"He is Peter Pan, you know, mother."
At first Mrs. Darling did not know, but after thinking back into her childhood she just remembered a Peter Pan who was said to live with the fairies. There were odd stories about him, as that when children died he went part of the way with them, so that they should not be frightened. She had believed in him at the time, but now that she was married and full of sense she quite doubted whether there was any such person.
「そうね、ちょっと生意気かしらね。」ウェンディはしぶしぶ認めました。お母さんはもっと問い詰めます。
「でも、その人って誰なの?」
「ピーター・パンよ。お母さん。」
始めのうちは、ダーリング夫人はこれが誰なのか分かりませんでした。けれども自分の子供のころを振り返って、妖精達と一緒に住んでいるというピーター・パンというひとのことを思い出しました。ピーターについては不思議な話がありました。子供達が死ぬとピーターは子供達が怖がらないように、途中まで一緒について行ってくれるというのです。そのころはダーリング夫人もピーターのことを信じていました。でも今は、彼女は結婚して分別もあるので、そんなひとがいたかどうか、とっても疑わしく思いました。
ピーターと妖精との間の関係が語られている。“fairy”とは客観的な物質世界に対して相補的に機能する、精神世界の存在原理を体現するものとして構想された、新種の概念であった。ここではピーターの持つの死神としての側面が言及されている。『ピーターとウェンディ』では、死を暗示する要素が潜伏的に持続されているのである。
Peterは“sense”(合理的世界認識・価値観)と背反する存在として描かれていることが興味深い。
用語メモ
sense(分別):理性にせよ常識的分別にせよ、これらが通用する界面を越えた次元においては、全く異なった価値評価がなされることとなる。正しく分別された一つの仮定に過ぎないのである。
「ミクシィ」でコミュニティ「アンチ・ファンタシー」を開設しました。
◆「最後のユニコーン」に関するSue Matheson氏の論文の解説等を行っています。
◆ アニメーション版「最後のユニコーン」における視覚表現についての解説を進行中です。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=427647
参加希望の方は、以下のアドレスにご連絡下さい。招待メールをお送りします。
kuroda@wayo.ac.jp
メインページurl http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/
論文、“アンチ・ファンタシーというファンタシー2:ファンタシーにおける非在性のレトリック─『最後のユニコーン』のあり得ない比喩と想像不能の情景”を新規公開中
ポエトリー・リーディング・セミナーのお知らせ(第2回)
日時:12月21日(水)「音と言葉によるパフォーマンス」
吉増剛造氏(詩人)&吉増マリリアさん(詩人・創作家)
和洋女子大学 西館にて
午前の部 10:00〜12:30(要予約)
午後の部 13:00〜15:00
主催 和洋女子大学英文学会
連絡先 047ー371ー1375
english@wayo.ac.jp
00:00:00 |
antifantasy2 |
No comments |
TrackBacks