Archive for 02 November 2006
02 November
学園祭公開授業 5
和洋女子大学学園祭公開授業のお知らせ最後のユニコーンの世界
The Last Unicornと影の主題
ーアニメーション版The Last Unicorn における映像表現
11月4日、5日
東館11階3科共用演習室3にて
1時より4時まで
(自由に入・退出できます。)
アニメーション映画「最後のユニコーン」(1982)は、1968年に出版された原作の隠された主題であった「影と本体の関係性」を、映像表現として巧みに再編成することに成功している。原作の形而上的で難解な影の主題の根幹的解釈を行う前に、映像表現による影というモチーフの応用例を即物的に確認していくことにより、意外な緻密性を備えたこのアニメーション映画の完成度の高さを味わってみたい。
自分と同じようにハーピーもこのミッドナイト・カーニバルに捕われていることを知って、ユニコーンはつぶやく。
She is real like me. We are two sides of the same magic.
(ハーピーは私と同じく、本物です。私達は同じ魔法の二つの側面なのです。)
これも原作には無かった台詞である。ユニコーンの語るように、ユニコーンとハーピーは聖と邪に分極した、真実の存在の示す対照的な両側面なのである。互いが互いの影として、その独特の存在的特質を得ているのである。
ユニコーンを捕まえた魔女マミー・フォルチュナはユニコーンに語る。
I had to give you a horn they could see. These days it takes a cheap carnival trick to make folk recognize a real unicorn.
(私はあんたに、あの連中の眼にも見える角をつけてやらなければならなかったんだよ。今節ではね、人々に本物のユニコーンの姿を見させてやるためには、まがい物の目くらましが必要なのさ。)
影の世界のあさましい実態に改めて気付かされたユニコーンは、檻の鉄格子に映して、自分に付けられた偽物の角を見るのである。
◆論文作成等でご利用の方には、研究書「アンチ・ファンタシーというファンタシー」を差し上げます。当日お申し出下さい。
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