Archive for 17 October 2004

17 October

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 17


She said no, and yes, and no again, day and night, and for the first time she began to feel the minutes crawling over her like worms.

ユニコーンは昼毎夜毎、出かけてみようか、やはりやめようか、と迷い続けました。そして初めて、時間が彼女の身体の上をウジ虫のように這いずり回るのを感じたのでした。

 とるべき行動に迷いが生じた結果、ユニコーンは「選択」を意識することとなった。そして初めて時間の支配を我が身の上に感じる。時間性(the temporal)の感覚は本来“immortal”で“eternal”な筈のユニコーンにとって異質なものであり、ウジ虫が肌の上を這うようなものに感じられる。

用語メモ
 "speculation":細長い生き物はすべて英語では"worm"と呼ばれる。蛇も蛆も、伝説の存在のドラゴンもしばしばこの言葉で呼ばれることがある。現代科学の分類法とは全く異なった定義に基づく言葉の用いられ方が存在するのである。基本前提を観念空間の中で大胆に変換することによって、常識の束縛から離れて自由に新しい可能性の姿を構想する思念は、“思弁”(speculation)と呼ばれる哲学的精神活動である。

メインページurl http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/


00:00:00 | antifantasy2 | No comments | TrackBacks