The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ　１８

It [the road] rushed the unicorn along, tugging at her feet like the tide, fretting at her, never letting her be quiet and listen to the air, as she was used to do.

森の外の道はユニコーンを押し流し、海の潮のように苛立たしげに彼女の足を引っ張り、これまでのように彼女が静かに周囲に耳を傾けることを許しませんでした。

　ユニコーンの森の外を走る道は、時間の流れの中にある。時間性の制約を負った世界の苛酷な有り様が、この道に象徴されている。キーワード “reality”と関連する。

用語メモ
　キーワード “reality”：ファンタシーの根本的定義として、現実にあり得ない出来事を作品世界に描く操作を明らかに行っている以上、その仮構世界自身が現実世界の存在を忘れることは不可能である。いかなるリアリスティックな作品世界にも増して、ファンタシーは現実世界の苛酷な真相を反転的により深く暴きたてていくことになるだろう。


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