The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ　２４

...there were a few men who gave chase, but always to a wandering white mare; never in the gay and reverent manner proper to the pursuit of a unicorn.

他にも何人か、彼女を捕まえようと追いかけた者たちがありました。けれどもだれも彼女のことを飼い主の手から離れた白い迷い馬だと思っており、ユニコーンを狩るにふさわしい、敬意に満ちた晴れやかな狩りを行うものは一人もいませんでした。

　ユニコーンを追うのにふさわしい、華やかで崇敬の念に満ちた狩りの行い方がかつてはあったということは、ユニコーンを頂点とした美と理想を統括する普遍原理があることを示す。しかし現在の人間達の生き方は、この原理を見失ったものであることが分かる。ユニコーンについて語るこのお話は、反転的にユニコーンを失った人間達を語っている。

用語メモ
　普遍原理（principle）：物理法則として恒久的な自然法則があるとされるように、物事の流れと生きるものたちの行動の目的と表す姿の是非を決定する判断基準として機能する、物質ー精神ー形式のすべてを統括する普遍原理が、かつては人々の堅固な確信として受け入れられていたのであった。「現代」とはそれを失った時代である。

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（「最後のユニコーン」ノート、『ピーターとウェンディ』注釈テキスト "Annotated Peter and Wendy"、論文「キャプテン・フックの憂鬱」等を公開中）