Archive for 17 December 2004

17 December

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 78


Once more Rukh lead the crowd from one of Mommy Fortuna's poor fables to another.

今度もまたルークは見物人達を引き連れて、マミー・フォルチュナの哀れな怪物達を見せて回りました。

 fable(寓話)は英語の文脈においては、「絵空事」、「嘘っぱち」の意で用いられることが多い。しかしこの作品においては現実には存在しない“架空の存在”こそ“本物”ということになるので、ここでの“fable”は伝説上の崇高な存在をあらわす。けれども“poor”(哀れな)という語で形容されているので、ここで実際に言及されているものは、“紛い物の本物”つまりユニコーンとハーピーを除く他の生き物達ということになる。

用語メモ
 fableとfantasy:fableもfantasyも英語の通常の意味としては、とりとめのない嘘、あるいは幻を指すが、“ファンタシー”という枠組みの中でこれらが指すものが言及された場合には、重大な意味の変換が行われていることになる。

和洋女子大学英文学科
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<自由人の祈り> 島田 雅彦 氏

メインページurl http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/

(『最後のユニコーン』注釈テキスト "Annotated Last Unicorn"、論文「『最後のユニコーン』と“漫画性”」、「『最後のユニコーン』のフック的アンチ・ヒーローと神格化された無知」、『ピーターとウェンディ』注釈テキスト "Annotated Peter and Wendy"等を公開中)



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