Archive for 17 January 2005

17 January

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 109


He was not lying, merely organizing events more sensibly, and so his tales had a taste of truth even to the canny Councilmen.

彼は嘘をついていた訳ではありませんでした。ただ、より良く意味の通るように、話の中身を語り直していただけです。という訳で、彼の語った話は用心深い町の評議員達にとってさえも、いかにももっともらしいものに思えたのでした。

 あるがままの事実よりも虚構の方がより整然とした意味を持ち、その完結性においてむしろ“真実”に近い。この物語における根幹的認識である。キーワード“story”と関連する。

用語メモ
 ストーリー: “fiction”、あるいは“art”という言葉に変換して解釈することも可能である。嘘であることが明白だからからこそ、とりとめもない“お伽話”の方が、あるがままの事実よりも、より真実に近いものであり得る。


メインページurl http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/

(『最後のユニコーン』注釈テキスト "Annotated Last Unicorn"、論文「『最後のユニコーン』と“漫画性”」、「『最後のユニコーン』のフック的アンチ・ヒーローと神格化された無知」、『ピーターとウェンディ』注釈テキスト "Annotated Peter and Wendy"等を公開中)


00:00:00 | antifantasy2 | No comments | TrackBacks