Archive for 24 January 2005

24 January

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 116


"A short life and a merry one, here in the sweet greenwood; jolly comrades united, to victory plighted--"

「うるわしい緑の森で、短くとも楽しい命、
陽気な仲間が力を合わせ、勝利へと誓いを立て、」

 シュメンドリックをさらってきたジャック・ジングリーが、隠れ家の入り口を守る見張りの呼びかけに答えて唱えた合言葉である。伝説の英雄ロビン・フッドが根城にしていた森がgreenwoodであった。
 unitedと plightedで脚韻(rhyme)を踏んでいる。
 ロビン・フッドの姿をいたずらに形だけ真似ようとする、この山賊達の現実に打ちひしがれた無様な生き様は、この物語の主人公であるユニコーンの存在の意義を反転的に物語るものとなっている。

用語メモ
 ロビン・フッド:オレンジ公ウィリアムの英国侵攻の後、12世紀から13世紀に渡ってノルマン人によって行われた異民族支配による圧政のもとで、苛酷な弾圧に対して勇敢に戦いを挑んだとされる伝説上の人物である。様々なエピソードが語り継がれ、人々のあこがれと理想のシンボルともなっているこの人物像は、この物語の中でユニコーンが占める“永遠の真実”という意味性を共有するものとなっている。


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(『最後のユニコーン』注釈テキスト "Annotated Last Unicorn"、論文「『最後のユニコーン』と“漫画性”」、「『最後のユニコーン』のフック的アンチ・ヒーローと神格化された無知」、『ピーターとウェンディ』注釈テキスト "Annotated Peter and Wendy"等を公開中)


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