Archive for 11 November 2005

11 November

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 407


“But there are wizards and wizards; there is black magic and white magic, and the infinite shades of gray between--and I see now that it is all the same.”
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The unicorn said, "That is true. You are a man, and men can do nothing that makes any difference." But her voice was strangely slow and burdened. She asked, "Which will you choose?"

「けれども、実に様々な種類の魔法使いがいます。黒魔法を用いるものもあれば、白魔法を用いるものもあります。そして黒魔法と白魔法の間に、さらに限り無いほどの色合いの灰色があります。でも、今私には分かりました。どれを選ぼうが、所詮は同じことなのです。」
ーー
 ユニコーンは言いました。「その通りです。あなたは人間です。そして人間には、本当の違いをもたらすことなど、何もできません。」けれども彼女の声は奇妙に低く、くぐもっていました。ユニコーンは尋ねました。「あなたはどちらの魔法を選びますか。」

 キーワード“immortal”と関連する。“man”は“mortal”と同義のものとして、“immortal”に相反的に関連するのである。永遠の存在ではないものには、所詮限界ある不完全な行いしか成し遂げることはできはしない。

用語メモ
 infinite shades of gray:白魔法が聖なるものであり、黒魔法が邪悪なものであるとしても、人間である魔法使いの実際になすことができるのは、そのどちらともなりえない、様々な色合いの灰色に過ぎないのである。

お願い
 “『最後のユニコーン』読解メモ”は、この第14章をもって間もなく終了となります。
 これまで解説されていた部分についての疑問、あるいは言及されていなかった箇所についての質問等がありましたら、どうかお知らせ下さい。総集編で補完したいと思います。その他リクエスト等ありましたらご遠慮なくお寄せ下さい。


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論文、“アンチ・ファンタシーというファンタシー2:ファンタシーにおける非在性のレトリック─『最後のユニコーン』のあり得ない比喩と想像不能の情景”を新規公開中

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