Archive for 20 November 2005

20 November

Peter and Wendy 『ピーターとウェンディ』読解メモ 4


Mr. Darling used to boast to Wendy that her mother not only loved him but respected him. He was one of those deep ones who know about stocks and shares. Of course no one really knows, but he quite seemed to know, and he often said stocks were up and shares were down in a way that would have made any woman respect him.

ダーリング氏はよくウェンディに、お母さんは彼のことを愛しているばかりでなく、尊敬しているのだと自慢したものでした。お父さんは株式だとか公債だとかいう言葉を知っている、偉い人達の一人だったのです。勿論誰もこれらがどんなものか、本当に知っている訳ではありません。でもダーリング氏は、いかにも分かっていそうな顔つきでした。そしてよく株価が上昇したとか、公債が下落したとか、どんな女性でも尊敬の気持ちを抱かないではいられないような口振りで語っていたのです。

 社会や経済に関する知識は、男性に固有の特別なものとされている。常に支配的なこの男性原理に対して、Darling夫人の体現する女性原理が象徴するものが、この作品の隠れた主題として後に巧みに展開されていくことになる。ファンタシー文学の主題のアイロニカルな応用例を形成している。

用語メモ
 stocks and shares:stockー株式、sharesー公債。共に一見難しそうで、実は無意味な、俗世間的で下らない言葉(なんだろう)。



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