Archive for 21 November 2005

21 November

Peter and Wendy 『ピーターとウェンディ』読解メモ 5


Mrs. Darling was married in white, and at first she kept the books perfectly, almost gleefully, as if it were a game, not so much as a Brussels sprout was missing; but by and by whole cauliflowers dropped out, and instead of them there were pictures of babies without faces. She drew them when she should have been totting up. They were Mrs. Darling's guesses.
Wendy came first, then John, then Michael.

 ダーリング夫人は白無垢で結婚式を挙げました。そして最初のうちは完璧に家計簿をつけていました。ほとんどゲームをしているように、楽しそうでさえありました。芽キャベツ1個も付け落とされることはありませんでした。けれどもしばらくするうちに、カリフラワー丸ごと一個が忘れられてしまうようになりました。そしてこれらのかわりに、赤ちゃんの姿が書き込まれるようになったのです。顔はまだ描かれていませんでした。出費の合計を出していなければならない時に、ダーリング夫人はこんな絵を描いていたのです。それはお母さんの推測が絵になったものでした。
 最初に生まれたのはウェンディでした。次はジョンで、その次はマイケルでした。

 結婚式を挙げ、新婚生活を送り、子供達をもうけていく母親の姿が、家計簿に焦点を当てて巧みに描かれている。記述された内容にではなく、記述の仕方そのものにお話としての面白みがある。語られている事実ではなく、語りのあり方そのものが作品の主題として意識されているのである。

用語メモ
 books(家計簿):kept the booksー家計簿をつけた、tot upー(家計簿の)計算をした


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