Archive for 26 November 2005

26 November

Peter and Wendy 『ピーターとウェンディ』読解メモ 10


Mrs. Darling loved to have everything just so, and Mr. Darling had a passion for being exactly like his neighbours; so, of course, they had a nurse. As they were poor, owing to the amount of milk the children drank, this nurse was a prim Newfoundland dog, called Nana, who had belonged to no one in particular until the Darlings engaged her.


 ダーリング夫人はなにもかもきちんとやっていくのが主義でした。そしてダーリング氏もご近所の方々とそっくり同じ風にやっていくのが望みでした。そういう訳で、当然、彼らは子守を雇ったのです。子供達がたくさんミルクを飲むおかげで彼らは貧しかったので、この子守はナナという名前のすましたニューファウンドランド犬になりました。ナナはダーリング夫妻が雇うまでは特にどこのお宅にお仕えしている訳でもありませんでした。

 ご近所と全く同じような生活をしようと思って、実は全く独創的なことをしてしまうDarling氏なのである。本人が自分自身の逸脱的性向に全く無自覚な点がダーリング氏の特質である。

用語メモ
 neighbours(ご近所):この物語が書かれた1911年のイギリスは、伝統的なビクトリア時代の旧世界ではない。20世紀的な新感覚の生活様式が主流を占めつつある変革期である。ここで語られている「ご近所」は、必ずしも旧世界的なコミュニティを指すものではないだろう。ダーリング家の子供達の数が3人でしかないのも、この一家をとりまく新しい生活環境を暗示している。19世紀までは10人前後の子供を設けるのが当たり前であった。



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