Archive for 28 November 2005

28 November

Peter and Wendy 『ピーターとウェンディ』読解メモ 12


She proved to be quite a treasure of a nurse. How thorough she was at bath-time, and up at any moment of the night if one of her charges made the slightest cry. Of course her kennel was in the nursery. She had a genius for knowing when a cough is a thing to have no patience with and when it needs stocking around your throat. She believed to her last day in old-fashioned remedies like rhubarb leaf, and made sounds of contempt over all this new-fangled talk about germs, and so on.

ナナは最高の子守りであることが分かりました。子供達をお風呂にいれる時も、完璧でした。子供達の一人がほんの少しでも泣き声をあげると、真夜中でさえも即座に目を覚ますのでした。彼女の犬小屋は当然のこと、子供部屋の中にありました。ナナは子供達がどんな風に咳き込んだ時は緊急の対処の必要があるか、どんな場合には首の回りにストッキングを巻き付ける必要があるか、誰よりも良く心得ていました。彼女は最期の時まで、リューバーブの葉を用いる古風な治療法の効果を信じていました。そして最新流行のあの“細菌”などという話を耳にすると、いつも鼻を鳴らして軽蔑の意を表しました。

 Nanaは伝承を重んじる経験主義的な思想の持ち主であり、現代の理性主義に対立する存在である。ファンタシー文学は、思想的にはNanaの体現する古代思想を擁護する立場をとるものであると考えることができる。“new-fangled talk about germs”とは パスツールの唱えた細菌病理原因説のこと。“empirical doctor”(経験主義的な医者)とは、藪医者の代名詞であった。時代の評価は“metempirical”(超経験的)=transcendentalなものにあった。

用語メモ
 charge:“nurse”(子守り)や“governess”(家庭教師)等に世話を受けている子供をchargeという。




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 アニメーション映画"The Last Unicorn"の影の画像表現を解説するトピックを始めました。

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kuroda@wayo.ac.jp



メインページurl http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/

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