Archive for 17 February 2005

17 February

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 140


"'There are fifty swords without the house, and fifty more within,
And I do fear me, captain, they are like to do us in.'
'Ha' done, ha' done,' says Captain Cully, 'and never fear again,
For they may be a hundred swords, but we are seven men.'"

「家の外には50人、さらに中にも50人
親分、奴らは俺たちを、閉じ込めようとしているんじゃないか。」
「大丈夫、任せておけ。」キャプテン・カリーは言った。「怖がることはない。」
「敵は100人、味方は7人であろうとも。」

 典型的なバラッドの一節である。4行の詩句で一連を形成している。通例は2行目と4行目で脚韻を踏んでいる筈だが、ここでは破格となっている。
 “swords”は“剣”という言葉を用いて武器を持った敵の兵隊を記述する、比喩の一種の“換喩”(metonymy)と呼ばれる技法が採用された部分である。

用語メモ
 スタンザ(stanza):詩句の数行が一つの集合を形成して韻律上の単位として用いられ、その反復と対照から詩の全体像が形作られて行く。最も原初的な詩句の発想の発端が"rhyme"、すなわち脚韻で関連づけられた2行にあるのに対し、もう一つ上のレベルでの構成単位となっているのがスタンザであると理解することができる。


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(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)「荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的記述―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求」を新規公開中)








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