Archive for 21 February 2005

21 February

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 144


Her ankles were crossed and her eyes were lowered, but for all that it took Schmendrick another moment to realize that Molly Grue was curtsying.

彼女の足は足首のところで交叉して、目は伏せられていました。けれども、それにもかかわらず、シュメンドリックにはモリー・グルーがお辞儀をしているのだと理解できるまでにしばらくの時間が必要でした。

 ユニコーンとシュメンドリックと行動を共にすることになるモリー・グルーが、初めてユニコーンを目にした時の仕草である。この登場人物は、ユニコーンをはさんでシュメンドリックとは見事に対照的な存在属性を示すことによって、魔法の原理とユニコーンという存在の意味を成り立たせている宇宙の構造性を反映することになる。

用語メモ
 お辞儀(curtsy): 上流社会の淑女が社交界のパーティなどの場面で見せる、優雅なお辞儀の仕方である。


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(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)「荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的記述―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求」を新規公開中)


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