Archive for 23 February 2005

23 February

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 146

ユニコーン画像 

"And what good is it to me that you're here now? Where were you twenty years ago, ten years ago? How dare you, how dare you come to me now, when I am this?"

「そして、今あなたが私のところに来てくれたからといって、それが何の役に立つというのよ。20年前は、10年前は、あなたはどこにいたの。私がこんな風になってしまってから、どうして今頃来てくれるというの。」

 憧れのユニコーンにようやく出会えて、何故かモリーはこのようにユニコーンをなじるのである。シュメンドリックを含め他の登場人物達と全く異なった態度を示すのが、このモリー・グルーという女である。

用語メモ
 理不尽な怒り:ここでモリーによって示されているのは、「理不尽な怒り」である。「理不尽な憎しみ」や「理不尽な好意」は、他の要因によって支配されることのない独特の次元軸として、仮構空間を支える強力な要素となるものである。


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(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)「荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的記述―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求」を新規公開中)


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