Archive for 06 February 2005

06 February

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 129


"If ye do rescue my lady fair,
I will break your nose, ye silly auld gowk...."

「もしもあの方を助け出してくれたなら、この馬鹿てめえの鼻をへしおるぞ、、、」

 話の内容が途中ですり変わってしまっている。ナンセンス詩によくある展開である。この場合は、恰好をつけて格調高く詩を歌い始めたのに、いつの間にか惨めな歌い手達の実体がさらけ出されてしまった、との印象を受ける。本当なら、「もしもあの方を助け出してくれたなら、お礼は何でもいたします。」となるところであろう。
 "auld"は "old"、 "gowk"は "simpleton"(馬鹿)の意。

用語メモ
 ナンセンス詩:Edward Learのリメリックなどが代表的。物語の形で語り進められるうちに、善玉と悪役の立場が逆転してしまったりすることもしばしばある。



メインページurl http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/

(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)「荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的記述―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求」を新規公開中)


00:00:00 | antifantasy2 | No comments | TrackBacks