Archive for 14 April 2005

14 April

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 196


“Haggard and Lir and Drinn and you and I--we are in a fairy tale, and must go where it goes. But she is real. She is real."

「ハガードもリアもドリンも、君も僕も、みんなお伽話の中の存在なんだ。だからお話の筋書き通りについて行くしかない。けれどユニコーンは違う。ユニコーンは、本物なんだ。」

 『最後のユニコーン』の根幹的なキーワード、“true, real”に関連する言葉である。“story"というもう一つのキーワードとの相関が問題となる。

用語メモ
 お伽話(fairy tale):嘘っぱち、とりとめの無い出鱈目と同義の言葉である。現実のリアリティに対して、作り事の仮構物という含意も当然備えている。ユニコーンは他の登場人物達と異なって、お伽話の中に封じ込めることが出来ない真実の存在であるが、そのようなユニコーンの本質を語ることができるのは、正しくお伽話を通してのみ可能なのである。


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作品研究サンプル
▼『不思議の国のアリス』とファンタシーの世界
・映画“ラビリンス”とアリス
・映画“ドリーム・チャイルド”とアリス
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(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)「荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的記述―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求」、『ピーターとウェンディ』注釈テキスト "Annotated Peter and Wendy"等を公開中)


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