The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ　１８４

"Let me tell you my troubles." Easy tears suddenly glittered in his eyes. "To begin with, my mother never liked me. She pretended, but I knew--"

「僕の悩みも聞いてくれないか。」突然シュメンドリックの目に涙があふれました。「まず最初に、僕の母は僕のことを愛してくれていなかった。愛してくれているふりはしていた。でも僕には分っていたんだ…。」

　シュメンドリックが酔って自分の身の上話しを始めたのである。幼児体験におけるトラウマを自覚しているのは、典型的な現代のインテリ人風である。キーワード“アナクロニズム”及び“アンチ・ファンタシー”と関連する部分である。

用語メモ
　トラウマ：“心の傷”ともいうべき、精神的なしこりである。本来の自分の能力を十分に発揮することを妨げる障害となることが多い。シュメンドリックが魔法使いとして、どこか致命的に欠落した部分を持っていることと関連する、興味深い裏設定に属する条件が、この語られなかった“トラウマ”にあるのかもしれない。

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作品研究サンプル
▼『不思議の国のアリス』とファンタシーの世界
・映画“ラビリンス”とアリス
・映画“ドリーム・チャイルド”とアリス
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