Archive for 20 April 2005

20 April

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 202


Now he seemed to curve with the curve of the bloodshot sky, his legs like great whirlwinds, his head rolling like the northern lights.

今はもう、レッド・ブルの身体の輪郭は、血の色に染まった空の輪郭と重なっていました。彼の足は巨大なつむじ風のようで、彼の頭は極光のように旋回しているのでした。

 レッド・ブルの身体は一個の生命体としての限界性を失い、ともすれば世界そのもの、自然そのものと同化しようとするかのごとく記述されるのである。丁度、ギリシア神話の神々が一個の存在物として顕現すると同時に、姿形を持ち得ない抽象概念でもあったかのごとくである。

用語メモ
 sky lineーhorizon(天末線ー地平線):空の縁と見るか、地の端と捉えるか、解釈の違いから同一のものが異なった名辞を用いて語られることもある。


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作品研究サンプル
▼『不思議の国のアリス』とファンタシーの世界
・映画“ラビリンス”とアリス
・映画“ドリーム・チャイルド”とアリス
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質問に対するお答え を新規公開

(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)「荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的記述―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求」、『ピーターとウェンディ』注釈テキスト "Annotated Peter and Wendy"等を公開中)


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