The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ　１８５

Drinn interrupted him, and just then Molly realized what was strange about the folk of Hagsgate. Every one of them was well and warmly dressed, but the faces that peered out of their fine clothes were the faces of poor people, cold as ghosts and too hungry to eat.

ドリンは彼の言葉をさえぎりました。そして丁度その時、モリーはハグズゲイトの町の人々の、どこが普通と違うのかが分かりました。誰もが豊かで暖かそうな服に身を包んでいました。けれども立派な服の中からのぞいている顔は、幽霊のように冷たく、空腹過ぎて食べることさえできない貧しい人達の顔だったのです。

　ハグズゲイトの民にかけられた呪いの、本当の実態が明らかにされようとしている。この物語の構築した優れた神話的設定の一つである、人間精神と運命の織り成し得る、最高に興味深い状況の一つがこれから暴かれていくことになる。

用語メモ
　ハグズゲイト：生活の豊かさと心の貧しさが極限まで離反した典型的な例として、“ハグズゲイト”は醜悪な伝説として象徴的な地位を勝ち得ることだろう。ニュー・ヨークやトーキョーなどよりもはるかに実体感を持った町として、記憶と歴史に名を留めることになるのだろう。


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作品研究サンプル
▼『不思議の国のアリス』とファンタシーの世界
・映画“ラビリンス”とアリス
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