Archive for 11 May 2005

11 May

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 223


"My people are gone, and I will follow them soon, whatever shape you trap me in. But I would have chosen any other than this for my prison. A rhinoceros is as ugly as a human being, and it too is going to die, but at least it never thinks that it is beautiful."

「私の仲間達はいなくなってしまいました。あなたが私をどんな姿の中に閉じ込めてしまっても、すぐに私はみんなの後を追っていくでしょう。でも私を閉じ込める牢獄として、私はこの姿だけは選びたくはありませんでした。サイは人間と同じほど醜い生き物です。そして人間と同じようにすぐに死んでしまいます。けれども少なくともサイは、自分が美しいなんて思いはしません。」

 キーワード“immortal”と関連する部分である。immortalな存在であるユニコーンは、mortalな人間の肉体を自分の精神を閉じ込める“prison”(牢獄)として感知する。また同様にサイも人間も同じほど醜く、愚かしいと感じるのである。

用語メモ
 trap, prison:trap=罠にかけて捕まえる。prison=牢獄。捕縛するイメージの言葉を選んで用いている。


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作品研究サンプル
▼『不思議の国のアリス』とファンタシーの世界
・映画“ラビリンス”とアリス
・映画“ドリーム・チャイルド”とアリス

(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)「荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的記述―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求」、『ピーターとウェンディ』注釈テキスト "Annotated Peter and Wendy"等を公開中)


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