Archive for 16 May 2005

16 May

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 228


"I told you that I was older than I look," he said. "I was born mortal, and I have been immortal for a long, foolish time, and one day I will be mortal again;"

「俺は見かけより年をとっているんだと、言っただろう。」シュメンドリックは言いました。「俺は死すべきものとして生まれ、長い愚かな不死の年月を生き続けてきて、そしていつか再び死すべきものになるんだ。」

 本作品におけるユニコーンの経験と対比すると興味深い。ユニコーンは本来不死のものでありながら、シュメンドリックの魔法によって暫くの間死すべき人間となり、最後にまた不死のユニコーンへと戻ることになる。シュメンドリックとユニコーンは、位相的には本体と影の対照的な関係を整然と形成することになる。

用語メモ
 mortal:この言葉は指示する対象としては“人間”を示し、保持する含蓄としては“死を逃れることが出来ない”の意を持つのである。


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作品研究サンプル
▼『不思議の国のアリス』とファンタシーの世界
・映画“ラビリンス”とアリス
・映画“ドリーム・チャイルド”とアリス

(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)「荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的記述―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求」、『ピーターとウェンディ』注釈テキスト "Annotated Peter and Wendy"等を公開中)


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