Archive for 19 May 2005

19 May

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 231


"A man and two women," said the first sentinel.
--
The second man followed his comrade across the tower at an easier pace. He said, "A man and a woman. The third one, in the cloak--I am not certain of the third."

 「男が一人と、女が二人。歩哨の一人が言いました。
ーー
 もう一人の歩哨がもっと落ち着いた足取りでやって来て、言いました。「男が一人と女が一人。三番目の外套を着ているのは、どちらとも分らぬ。」

 ハガード王の城で、二人の歩哨がユニコーン達のやって来るのを目に留めて交わした会話である。最初の歩哨が遠くから目にした外見から、ユニコーンを“女”と判断したのに対し、二番目の歩哨はその判断に対して疑念を提出している。より透徹した目を備えたこの男は、ユニコーンの本性をすでに感じ取っているのである。

用語メモ
 man, woman:“man”は男性、“woman”は女性という意味を備えているばかりでなく、“人間の男”、“人間の女”という意味も含む。二番目の歩哨が疑義を提出したのは、“人間の”の部分に対してであろう。


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作品研究サンプル
▼『不思議の国のアリス』とファンタシーの世界
・映画“ラビリンス”とアリス
・映画“ドリーム・チャイルド”とアリス

(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)「荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的記述―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求」、『ピーターとウェンディ』注釈テキスト "Annotated Peter and Wendy"等を公開中)


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