Archive for 05 May 2005

05 May

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 217


"Doubtless you are wondering how I plan to return her to her proper shape," Schmendrick offered. "Wonder not. The power will come to me when I need it--I know that much now. One day it will come when I call, but that time is not yet."

「お前は、俺がどうやって彼女をもとの姿に戻してやることができるのかと、心配しているんだろう。」シュメンドリックはモリーに尋ねられる前に、自分から言いました。「心配することはない。その力は、次に必要になった時にきっとやって来る。今俺に分っているのは、そこまでだけだ。いつかその力は俺が呼び出せばやって来る。でも今はまだその時ではない。」

 ユニコーンを魔法の力で人間の姿に変えてしまった後、モリーになじられてシュメンドリックが語った言葉である。やって来たり、行ってしまったりする魔法の力は、その来るべき時も行使する力の選択も、技を行う筈の魔法使いが判断するのではなく、すべて魔法の方に任せておけばよい、とシュメンドリックは言う。

用語メモ
 天理:魔法の技とは人としての思惑や目的とは別個の、天然自然の道理、つまり“天理”とも言うべきものに従うものであるらしい。魔法使いには、成果に関わる計算や、業績の達成に対する意志は不要のものであるらしい。


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作品研究サンプル
▼『不思議の国のアリス』とファンタシーの世界
・映画“ラビリンス”とアリス
・映画“ドリーム・チャイルド”とアリス

(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)「荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的記述―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求」、『ピーターとウェンディ』注釈テキスト "Annotated Peter and Wendy"等を公開中)


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