Complete text -- "The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 151"

28 February

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 151


He did not look directly at the unicorn, but stole small sights of her as stealthily as though he could be made to put them back.

シュメンドリックは真っ直ぐにユニコーンの方に視線を向けることはありませんでした。こっそりと、少しずつ彼女の姿を盗み見していたのです。あたかも目でつかんだその姿を取り返されるとでもいうかのように。

 シュメンドリックに付きまとう自信の無さである。作者は明示的にこの人物に欠けているものが何であるかを示そうとはしていない。シュメンドリック、モリー、ハガード王、レッド・ブル、そしてユニコーンとハーピー等、この物語に登場するキャラクター達のそれぞれの存在属性を併置してみることによって初めて、この疑問に対する解答が得られることになるのだろう。

用語メモ
 存在属性:この物語においては本体と影、あるいは相補的な対という存在原理が支配的である。例えば1982年公開のアニメーション映画版「最後のユニコーン」では、ユニコーンはハーピーと自身の関係を“We are two sides of the same magic.”(「私達は同じ一つの魔法の二つの側面なのです。」)と語っていた。原作には無かった台詞であるが、映像表現として独自のプレゼンテーションの工夫が施されている映画版の与えてくれた、原作の背後に潜む構造性を読み解くための重要な手がかりであろう。


メインページurl http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/

(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)「荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的記述―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求」を新規公開中)


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Comments

LpCHtmDr68 wrote:

: Non, je ne pense pas… je viens d’effectuer un filtre avec uniquement le trafic &lrtÃo; ru©férenq &aaquo;, et il reste une proportion des données.
03/14/17 08:19:08
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