Archive for 28 January 2005
28 January
The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 120
Voices murmured somewhere ahead, sullen as robbed bees.
どこか頭の上の方から人の声が聞こえてきました。蜜を盗まれた蜜蜂のような、むっつりと不機嫌な声でした。
馬の背の上に腹這いに乗せられたシュメンドリックの視点から周囲の状況が描写されている。シュメンドリックには馬の背中しか目に入っていないのである。「蜜を盗まれた蜜蜂のように」の部分はビーグルお得意の動物のイメージを活かした喩えである。
用語メモ
直喩(simile)の効果:物語における直喩表現の効果は、現出した状況を既知の何かになぞらえて具体的に語ろうとすることばかりとは限らない。“語り”という独特の様式によって構築される世界の中では、喩えに用いられた事物は、実際に具体的な存在感を持ってそこに描き出されてもいるのである。
メインページurl http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/
(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)“荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的言説―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求”を新規公開中)
00:00:00 |
antifantasy2 |
No comments |
TrackBacks