Archive for 17 March 2005
17 March
The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 168
"I have heard Hagsgate called 'the town that no man knows'. Maybe its secret was waiting for a woman to find it out--a woman and a unicorn. "
「私はハグズゲイトの町が“誰も知らない(どんな男も知らない)”と呼ばれるのを聞いたことがある。きっとこの町の秘密は、女が、女とユニコーンが解き明かすことになっているんだわ。」
「誰にも出来ないこと」(what no man can)とされている難事が、“woman”(=no man)によって果たされることになる、という展開はギリシア神話以来の予言の禁忌を乗り越え、不可思議な謎を解明する際に採用されてきた、典型的フィクション的筋立てである。ここでは登場人物の一人のモリーがこのようなフィクション性自身を明確に意識していることになる。キーワード“story”に関連する。
近年では、映画The Lord of the Rings (『指輪の王』)で誰にも(no man)倒すことが出来ないと予言されていたナズグルの王がホビットと人間の女エオウィン(“man”ではない)によって殺された例が記憶に新しい。
用語メモ
女(woman):英語においては人間一般は“man”という言葉で語られるので、“woman”は厳密な語義からすれば“man”に対する条件的拘束から自由な、別の存在者である。
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作品研究サンプル
▼不思議の国のアリスとファンタシーの世界
・映画”ラビリンス”とアリス
・映画“ドリーム・チャイルド”とアリス
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