Archive for 13 March 2005

13 March

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 164


Watching her companions as they slept, seeing the shadows of their dreams scurry over their faces, she would feel herself bending under the heaviness of knowing their names.

連れの二人の人間達が眠っている顔を見つめ、彼等の夢の影がその顔の上を走るのを見てとると、ユニコーンは自分が彼等の名前を知ることの重みに打ちひしがれてしまうような気持ちになるのでした。

 時間性の存在である人間の抱く思いも願望も、永遠性の存在であるユニコーンの立場から見れば歪に凝り固まった妄念でしかない。本来このような錯覚から自由であった筈のユニコーンが、何故かその妄想の中に取り込まれていくのである。

用語メモ
 名前(name, conception):名前、あるいは概念とは意識の主体が全体性の把握を拒み、隔絶された主観の中で歪められた迷妄を反映するものに他ならない。仏教で呼ぶところの“五蘊”、すなわち色、受、想、行、識のすべてがここでの“名前”に該当する。


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作品研究サンプル
▼不思議の国のアリスとファンタシーの世界
・映画“ラビリンス”とアリス
・映画“ドリーム・チャイルド”とアリス
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