Archive for 16 March 2005

16 March

The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 167


She often put her hands on the unicorn when she was sad, or tired, or afraid.

モリーはしばしば悲しかったり、疲れたり、恐くなった時、ユニコーンに手を触れたのでした。

 シュメンドリックのユニコーンに対するぎこちない態度と対照的な、モリーの振る舞い方である。普遍的である筈のユニコーンという存在が、個々人に対して全く異なった存在属性の一端をもまた示し得るのである。このシュメンドリックとモリーの場合のように、現象的存在物の各々が、それぞれ互いの影あるいは本体としての存在属性を保持して、離散・融合の緊密な関係性を築きつつ世界の全体性を担っていくとするのが、魔術的な世界解式の根本理念としてある。

用語メモ
 シュメンドリックは見て、考えて、理解する意識の主体なので、触れることが出来ない。それぞれの人格が、個体として保持する属性、能力、傾向と知覚、行動を連関させて、様々な順列・組み合わせの許に有機的に絡み合った、しかし整然としたパターンを形成して世界を現出させている。


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作品研究サンプル
▼不思議の国のアリスとファンタシーの世界
・映画”ラビリンス”とアリス
・映画“ドリーム・チャイルド”とアリス
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