Complete text -- "佐倉セミナーハウステキスト 2回目 その3 共時性"

08 October

佐倉セミナーハウステキスト 2回目 その3 共時性

ユングの見て取った宇宙観と科学の前提とする世界観

ユングの共時性(synchronicity)
 因果関係を持たない事象の間に、主観的に意味ある何かを読み取ることができる現象。世界と個人の間の見えざる関係性の現れ。重力の法則が世界を支配するように、運命の法則として「共時性」があると考えた。

科学の見地 偶然の一致(coincidence)
 事象の間に因果関係が存在しないが、偶々関連のありそうな出来事が生起すること。無関係だが意味があるように見えるだけ。

 既存の宗教、思想の発想と比較してみる
キリスト教:神の配剤、摂理(providence)
 人には測り知ることのできない不思議な配慮でもって理解不能な出来事がもたらされている。
東洋思想:天啓

ゲームで考えてみる
 色々な出来事を経験することによって条件が満たされ、イヴェントが発生して攻略の道が開ける。最終的にはトゥルー・エンドを達成することができる。
 ゲームはそのように予めプログラムされているから当然のこと。プレイしてエンディングを迎えることが意味を持つように、ゲームは造られている。イヴェントを起こすきっかけとなる一つ一つの行動は、因果関係として成功をもたらす直接的な機能は持たない筈だが、その一見偶然の一致に見える関連がゲームとしてのプログラム上では不可欠となっている。

ゲーム世界との比較から「共時性」の発想を解釈してみる
 世界は個人の主観として感じ取られる心の中の存在であり、ゲームの「エンド」と同じように確定した「結末」や「達成」という意味を持つものとして存在する。言い換えれば、この世界は自分がプレイするためのゲームとして、意味を持つ世界としてある。一人一人が世界のプレイヤーで、主役。
 意思や意識と関係なく客観的な物理世界が存在していて、その存在意義などというものはもともと無い、と考えるのが科学の前提。科学の前提に従えば、世界は誰から見ても同じ客観的な「意味を持たない」ものなので、全ては単なる「偶然の一致」に過ぎない。トゥルーエンドもバッドエンドもなく、始まりもお終いも無い、時間がただだらだらと流れているに過ぎないのが、我々の生きるこの世界の実情。







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