Complete text -- "The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 104"
12 January
The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 104
“Take me with you, for laughs, for luck, for the unknown. Take me with you."
「私を一緒に連れていって下さい。笑いのために、幸運のために、未知なる何かのために。どうか私をお連れ下さい。」
探求の旅に赴こうとするユニコーンに、魔法使いシュメンドリックが自分を一緒に連れていってくれるようにと頼む時の言葉である。奇術師、あるいは魔法使いとしての自分の能力が与える便宜よりも、むしろ「未知なる何物か」を理由として強く訴える彼の論理は、理性や計算に対して無意識と直観を優位におく思想的位相をあらわしている。マミー・フォルチュナに対してユニコーンの語った言葉、“She knows more than she knows she knows.”と対応する部分である。
用語メモ
直観(intuition):人間の作り上げた論理体系に照らし合わせて評価を下すことのない“直観”による判断に対する信奉の背後には、世界全体の健全な運命の流れと、一人の人間としての存在が行うべき正しい役割との間に、保証された自然な関係性が必ず存在しているはずだという、世界の有機的連関の根本に対する楽観的信仰がある。
メインページurl http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/
(『最後のユニコーン』注釈テキスト "Annotated Last Unicorn"、論文「『最後のユニコーン』と“漫画性”」、「『最後のユニコーン』のフック的アンチ・ヒーローと神格化された無知」、『ピーターとウェンディ』注釈テキスト "Annotated Peter and Wendy"等を公開中)
00:00:00 |
antifantasy2 |
|
TrackBacks
Comments
コメントがありません
Add Comments
トラックバック