Complete text -- "The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 132"
09 February
The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 132
"Captain, if we're to have folk songs, and I suppose we must, then we feel they ought to be true songs about real outlaws, not this lying life we live."
「親分、もしも俺たちのことが詩に歌われるというんだったら、そして俺もその方がいいとは思うんだが、それはこんなごまかしの生き方なんかじゃなくて本物の無法者のことを歌った、本物の歌でなきゃならない。」
カリーの手下の一人が、理想の英雄であるロビン・フッドをきどって、自分達の生活の実情を嘘で塗り固めようとする彼等の親分に対して、異議を唱えることとなる。この男もまた、この作品に登場する他の多くの登場人物達と同様に、自分達が形作っている現実が偽りの生を送る空虚な舞台でしかないことを強く自覚している。ユニコーンの示す属性に対して対照的なキーワードである“reality”に関連する部分である。
用語メモ
現実(reality):“現実”の定義をいかに施すことにするにせよ、その含意としては高邁な理想に対して、卑賎で矛盾に満ちた世界としての有り様が強く意識されていることは確かなことだろう。
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(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)「荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的記述―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求」を新規公開中)
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