Complete text -- "The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 138"
15 February
The Last Unicorn 『最後のユニコーン』読解メモ 138
Jack Jingly had wrapped him in enough rope to rig a small schooner, and tied knots the size of skulls.
ジャック・ジングリーは彼を小型の帆船を艤装することができる位のロープを使ってぐるぐる巻きにして、頭蓋骨程の大きさの結びこぶまで作っていました。
シュメンドリックを木に縛り付けたジャック・ジングリーであるが、この大男の動作がいかにも誇張した、大げさな表現を用いて語られている。スクーナー船や頭蓋骨を持ち出して語られた、常識の枠を逸脱する程の誇張は、比喩表現の一種としての独特の修辞法であるばかりでなく、“奇抜表現”という特有のジャンルを形成するものでもある。
用語メモ
奇抜表現(extravaganza):上のような誇張表現によって構築される作品世界は、あり得ない程の常軌を逸した事物が描かれるという点で、心理的効果においてはファンタシーに類似した部分を多く持つものであると思われる。『最後のユニコーン』のアンチ・ファンタシー的傾向として、類型的な現代のファンタシーとは根本的に異なった、むしろ古典的な仮構作品世界構築要素の存在が指摘し得ることを認めておきたい。
メインページurl http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/
(論文、アンチ・ファンタシーというファンタシー(13)「荒唐無稽とアナクロニズムとペテン的記述―『最後のユニコーン』における時間性と関係性の解体と永遠性の希求」を新規公開中)
00:00:00 |
antifantasy2 |
|
TrackBacks
Comments
コメントがありません
Add Comments
トラックバック