Complete text -- "Peter and Wendy 『ピーターとウェンディ』読解メモ 137"

02 April

Peter and Wendy 『ピーターとウェンディ』読解メモ 137


 He had brought nuts for the boys as well as the correct time for Wendy.
 "Peter, you just spoil them, you know," Wendy simpered.
 "Ah, old lady," said Peter, hanging up his gun.
 "It was me told him mothers are called old lady," Michael whispered to Curly.
 "I complain of Michael," said Curly instantly.
 The first twin came to Peter. "Father, we want to dance."
 "Dance away, my little man," said Peter, who was in high good humour.
 "But we want you to dance."
 Peter was really the best dancer among them, but he pretended to be scandalised.
 "Me! My old bones would rattle!"
 "And mummy too."
 "What," cried Wendy, "the mother of such an armful, dance!"
 "But on a Saturday night," Slightly insinuated.
 It was not really Saturday night, at least it may have been, for they had long lost count of the days; but always if they wanted to do anything special they said this was Saturday night, and then they did it.
 "Of course it is Saturday night, Peter," Wendy said, relenting.
 "People of our figure, Wendy!"
 "But it is only among our own progeny."
 "True, true."
 So they were told they could dance, but they must put on their nighties first.

 ピーターは、ウェンディのために時間を確かめてきたばかりでなく、子供達のために木の実を採ってきてくれていました。
「ピーター、子供達を甘やかしてばかりいては、駄目よ。」ウェンディは不平を言いました。
「そうだな、かあさん。」ピーターは、鉄砲を壁にかけながら言いました。
「お母さんのことを“かあさん”と呼ぶのを教えたのは、僕なんだよ。」マイケルが、カーリーにささやきました。
「マイケルはね、」すぐさまカーリーが言いつけました。
双子の兄の方が、ピーターの前に来ました。「お父さん、ダンスをしたいんだ。」
「いいぞ、やりなさい。」ピーターは、上機嫌で言いました。
「お父さんも一緒に踊って欲しいんだ。」
本当は、ピーターがみんなの中で一番踊りがうまいのでした。でもピーターは、とんでもない、という顔をしました。
「儂がかい。膝が痛んでしまうよ。」
「お母さんも一緒だよ。」
「何ですって、」ウェンディも叫びました。「こんなに大勢の子供を抱えた母親が、ダンスですって?」
「でも、土曜日の晩なら、」スライトリーが言いました。
その日は、本当は土曜日ではありませんでした。ひょっとしたら、そうであったかもしれませんが。実は彼等は、曜日が分からなくなってしまっていたのです。でも何か特別なことをしたい時には、いつも土曜日の晩だからということにして、行うことにしていたのです。
「そうね、土曜日の晩なのね。」ウェンディも、子供達に合わせて言いました。
「私たちのような年寄りがダンスかい?ウェンディ。」
「でも一家の中でのことですもの。」
「そうだよ、そうだよ。」
そういう訳で、子供達はダンスをしてもいいことになりました。でも、まず先にパジャマを着るように言われました。

ネバーランドにおけるピーターと子供達の典型的なメイク・ビリーブの生活の場面なのであろう。時間や曜日などの社会の約束事は、状況に応じて好き勝手に変更するのが一番都合がよい。けれども現実の生活では、逆にこれらの本来は無意味な制約に縛られて生きることを余儀なくされるのである。

用語メモ
 約束事(convention):倫理的あるいは物理的な根本原理とは直接の関わりを持たない、社会や共同体の中での申し合わせであることが多い。偽善者は事のほか重要視し、求道者は唾棄すべきものとすることもしばしばである。



和洋女子大学公開講座のお知らせ
 作品講読「ピーターとウェンディ」(Peter and Wendy)を読む

5月の毎週土曜日:5月6日、5月13日、5月20日、5月27日の4回、
2時から開催です。

連絡先:和洋女子大学 渉外課  047-371-1473  
◆内容
 “ピーター・パン”の物語として有名な、『ピーターとウェンディ』を原文で読みます。実はあまり良く知られていない原作の哲学的な主題を、英語表現の鑑賞に気を配りながら読みとって行きます。4回という限られた回数で作品の全体像を把握するために、読解上の注釈を施したテキストを用意しました。インターネットで公開中の対訳とメモを活用し、質疑応答を通して要点を押さえながら、読解の作業を進めていきたいと思います。
 主題としては、意識内世界としてのネバーランドという場所、個人の内面心理を形成する疑似人格的要素としてのピーターとフックという人物像等について考察することにより、“世界”と“自己”という概念に対する再検証のあり方を試みるつもりです。これがファンタシー文学一般の中心的主題と考えられるものなのです。
 (インターネットの利用、コンピュータの操作等ができなくとも、受講には差し支えありません。)



「ミクシィ」でコミュニティ「アンチ・ファンタシー」を開設しました。
◆「最後のユニコーン」に関するSue Matheson氏の論文の解説等を行っています。
◆ アニメーション版「最後のユニコーン」における視覚表現についての解説を公開中です。
◆ ピーター・ビーグルに関する書誌データを公開中です。

http://mixi.jp/view_community.pl?id=427647

参加希望の方は、以下のアドレスにご連絡下さい。招待メールをお送りします。

kuroda@wayo.ac.jp



メインページurl http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/


 平成17年12月21日和洋女子大学にて開催の
“ポエトリー・リーディング”
において行った朗読、「“Frivolous Cake”ー“浮気なケーキ”を読む」をアップロードしました。
http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/speech/cake/cake.html

 “公開講座8” The Last Unicorn『最後のユニコーン』の世界
を追加しました。
http://www.linkclub.or.jp/~mac-kuro/H17E_fest/eibun.htm

論文、“アンチ・ファンタシーというファンタシー2:ファンタシーにおける非在性のレトリック─『最後のユニコーン』のあり得ない比喩と想像不能の情景”を新規公開中




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Comments

KXXYArXdC5sq wrote:

Skal begynne slenge ut flere. La ut masse før, men i det siste begynte jeg bruke bittesmÃ\ skeÃiebs¸ksr, og de er sÃ\ ork Ã\ scanne 40 ganger. Har skisset veldig lite i det siste ogsÃ\, men gjorde det litt i gÃ\r mens jeg slet med manus, og det var kjempedeilig.
03/14/17 08:33:15
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