Complete text -- "H25佐倉セミナーハウス文化・教養講座"

29 September

H25佐倉セミナーハウス文化・教養講座

H25年度の佐倉セミナーハウス文化・教養講座は、以下の要領で行われます。

佐倉セミナーハウス階段教室にて開催
10月5日、12日、19日(土曜日)午後1時から4時まで

演題:
映画『ピーター・パン』と原作『ピーターとウェンディ』:
原作と二次創作―仮構作品の“個別性”と“同一性”を考える

 映画Peter Panの様々なシーンを原作Peter and Wendyの記述と比較し、巧みに人物や台詞が入れ替えられて換骨奪胎された結果、ウェンディが主役の大幅に主題が変化した物語になっていることを指摘します。しかしそれでもこの映画が原作との同一性を保持していると考え得る根拠は、可能世界の論理とパラレルワールドの発想にあります。知的な観念小説を映像化した変換記述として、演出を計算され尽くした映像作品の内実を検証していきます。


1 Peter and Wendyとアインシュタインの相対性理論誕生前夜の思想的動向
 マッハの哲学とニュートン力学批判
 マクスウェルの電磁気学と素粒子理論
 影の世界解式と神智学―全体性の宇宙論と心霊学研究
 異教の神の復興―デーモンと妖精とパン神

2 論理的不可能世界であるネバーランド
 集合的無意識と妖精存在―守護天使と背後霊
 分岐する平行世界と可能態として潜在するポテンシャリティの世界
 ファインマンの歴史総和法―あり得た可能性の全てを網羅する存在記述
 情報の順列組み合わせにより無限のヴァリエーションを具現する仮構世界

3 原作の主人公は実はキャプテン・フックだった
 反実仮想の語りの手法―曼荼羅とフラクタルと個体の同一性
 キスと指貫―心の中の世界と、意識と意識の交わりの空間
 全ての個物がその中に全体を含むホログラム構造
 映画の主人公はウェンディ―基本軸の変換による可能記述


予約不要、好きな時間に入室し、自由に退席して構いません。
研究中のファンタシー文学やサブカルチャーについての資料をお配りします。
同一性問題で関りのあるフィギュア作品を持ち込んで、観賞して頂きます。
20:28:13 | antifantasy2 | | TrackBacks
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